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いつかちゃんの物語


夜明け前、ゆかりが目をさましました。

ふわりはまだねています。

「あ、ねこがいる」とゆかりが言いました。

「マーシューマーロー」とねこが言いました。

「あなたの名前はマシュマロね」

 

ねこが「マシュー」と言いました。

「ついてきてと言っているのね」とゆかりがいいました。

ゆかりとふわりはいっしょにまどの外に出ました。

まどの外には月がかがやいています。

「なんてきれいな月なんでしょう。」

そう言って3人のぼうけんがはじまりました。

 

ふたりをのせてマシュマロは空をとんでいきます。

「マシュー。」

雲をわたって、ようやく月が大きく見えてきました。

上から見ると森はとても小さく見えます。

 


ようやく月にたどりつきました。

そこには友だちがいない星がいました。

まわりは大きい星の子ばかりです。

その星の子はからだは小さいけれど光が強かったのでひとりぼっちでした。

「はじめまして、ぼくは星。よろしくね。」とその星は言いました。


「ぼくは光が強すぎて、みんなまぶしくて帰っちゃうんだ。」

「え?そうなの? でも わたしたちはだいじょうぶよかったらいっしょに行く?」

「えっ、いいの?」星は言いました。

「もちろん」とふたりは言いました。

行き先はマシュマロにおまかせ。

うさぎが見送りに来て、4人は出ぱつしました。

 

仲間ができてうれしくてこうふんして星はうっかり海におちちゃった!

「わ、だいじょうぶ?」とゆかりが言いました。

「どうしよう~!」とふわりが言いました。

「マシュー!」

3人は光をたどって星をおいかけました。

 

 

その先には、星の光であつまったおさかなが、星のまわりをおよいでいました。

星の光でおさかなが、かがやいているように見えました。

「わあ、きれい。」とゆかりは言いました。

 


ずっと海のそこにしずんでいくとおさかなたちはいなくなっていました。

星の光であたり一面さわやかなブルーにつつまれていました。

体がぷかぷかういていて、ねむくなってきました。

「ちょうどいいなぁ」とふわりは言いました。

 


目がさめるとぼうけんはおわっていました。

「あ、ゆめ?」

だけど星を見てゆめじゃないんだとおもいました。

「何をしてたんだろう」とふわりは言いました。

「ふしぎなぼうけんだったなぁ」とゆかりは言いました。

2人ともマシュマロのことはおぼえていませんでした。


おしまい

 

 

マイテちゃんの物語

 

クローディアは、真夜中に「かりかり」と何かをかく音に起きてしまいました。

きみょうな音におびえたクローディアは、となりで寝ていた妹のオードを起こしました。

しかしオードは、ねこのオスカルをだいて、またすぐに寝てしまいました。

すると、とつぜん窓が開き、外には大きなねこが立っているのが見えました。

「オード、オード、おきて!とっても大きなねこがいるよ!」とクローディアは大声で言いました。

「もう!変なこと言わないでよ!」オードは言いました。

「だって、ほら、見てよ!」とクローディアはまた大きな声で言いました。


オードはとてもおどろきました。ほんとうにそこには、大きなねこがいたからです。

そこでふたりは、そのねこに会いに外へでました。ねこはふたりに言いました。

「ぼくの名前はジョルジュ。きみたちはぼくの息子のめんどうをちゃんとみてくれているね!」

クローディアとオードは顔を見合わせ、おどろいて言いました。

「あなたの息子???」

「そう、ぼくの息子、オスカルだよ!6か月前、きみたちの家の前に置いていったんだ。」


ジョルジュは言いました。「お礼に、オスカルが寝ている間、きみたちをお散歩につれていってあげるよ。」

そしてふたりがジョルジュの背中に乗ると、ジョルジュはとびだったのです!

「ねえ、とてもすてきだと思わない?」と、クローディアは言いました。

オードは答えませんでした。美しい風景、青い空や雲に、うっとりとみとれていたのです。


ジョルジュは、まるで雲のように真っ白なちいさなわくせいに止まりました。

そのわくせいで、オードとクローディアは、きれいな星をひとつつみました。

 

そのあと、ふたりはおうちに帰ろうとしましたが、ジョルジュは帰り道を忘れてしまいました。

でも、運のいいことに、ふたりの姉妹とジョルジュは二匹のうさぎに出会いました。

ジョルジュはうさぎたちにたずねました。

「こんにちは。地球への道を知りませんか?」

しかし、うさぎたちは観光客だったので、知らないようようです。

 

すると、ひとつの星が動きだしました。

「あとをつけよう!」と、ジョルジュは言いました。

オードとクローディアは不安でしたが、ジョルジュの言う通りに宇宙に飛び込みました。

 

星はとつぜん止まりました。

彼らが星に近づき、そしてオードが星にふれると、無数の魚が、どこからともなく現れ、

「これは夢、これは夢だよ!」と、歌いだしたのです。

「そんなことないわ!」とクローディアとオードは自信なさげに言いました。



星は笑いだし、答えました。

「今に分かるよ!」

クローディアとオードは、なぜ星がそのようなことを言ったのかとぎもんに思いました。

でも、たしかに、おしゃべりのできる星も、真っ白な小さなわくせいも、ジョルジュさえも、現実にはありえない!とも思いました。



そこでクローディアは目がさめたので、星の言っていたことが本当だったと思いました。

それをたしかめるため、彼女はオードを起こし、同じぼうけんをしたかどうかたずねました。

でも、オードは、していないと答えました。クローディアは、星の言っていたことが正しかったと分かると、シャワーをあびるために部屋を出ました。

するとオードは、オスカーの耳元でこう言いました。

「オスカー、あなたのお父さん、ジョルジュが、あなたによろしくって言ってたわよ!」

 

 

 

翻訳 Sayané BRACHET

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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© Miharu Saka